人材関連コラム
2026年08月27日

目次
社長から「コストは最小限にしろ」と釘を刺されているものの、3名採用でトータルいくら用意すべきか見えず、社内説明に頭を抱えていませんか?
「月額費用が安い業者を選んで、後から追加請求されたり、入管法違反で受け入れ停止になったりしないだろうか?」
人手不足解消の切り札として「特定技能」の導入を検討し始めたものの、登録支援機関のコスト構造の複雑さに頭を悩ませている採用担当者の方は少なくありません。特に、初めて外国人採用に取り組む中小企業の総務部長や人事責任者にとって、「結局、1年目でトータルいくらかかるのか」という問いへの明確な答えは、社内決裁を通すための必須条件です。
結論から申し上げます。特定技能1号の採用における1年目の総額コストは、1人あたり「80万円〜120万円」が適正な相場です。
この記事では、 Indeedプラチナムパートナーとして数多くの採用現場を伴走してきた株式会社ヒューマンワークが、登録支援機関の費用内訳を詳しく解説します。さらに、多くの企業が見落としている「人材紹介料を大幅に削減し、トータルコストを30万円以上削減する手法」についても、プロの視点から具体的に解説します。
この記事を読み終える頃には、社長を納得させるための「根拠あるコスト試算表」が完成しているはずです。
登録支援機関の費用とは、特定技能外国人の支援を委託する際に発生する料金の総称で、主に「初期費用(登録支援料)」「月額支援委託費」「人材紹介料」の3つで構成されます。
特定技能制度では、受け入れ企業(特定技能所属機関)に外国人への支援が義務付けられていますが、自社で支援体制を整えるのが難しい場合、出入国在留管理庁に登録された「登録支援機関」にその業務を委託することができます。登録支援機関への委託に対して支払う対価が「登録支援機関の費用」です。
比較表: 登録支援機関の主な費用項目と相場
| 費用項目 | 相場(1人あたり) | 発生タイミング | 内容の概要 |
|---|---|---|---|
| 初期費用(登録支援料) | 5万円〜20万円 | 契約時・入国前 | 支援計画の作成、事前ガイダンス、入管への申請取次など。 |
| 月額支援委託費 | 1.5万円〜3万円 | 毎月(運用期間中) | 定期面談、相談苦情対応、行政への四半期報告書の作成など。 |
| 人材紹介料 | 年収の20%〜30% | 採用決定時 | 外国人材の募集、スクリーニング、マッチング。 |
| その他実費 | 数万円〜 | 随時 | 在留資格申請の印紙代、健康診断費、通訳同行費など。 |
登録支援機関の各費用項目は表面的な数字に過ぎません。実務において最も重要なのは、各項目をバラバラに捉えるのではなく、「採用から1年間の運用までを含めた総額(トータルコスト)」で判断することです。
社長に提出する資料で最も重視すべきは、月額の安さではなく「1年目の着地金額」です。ここでは、標準的なケース(海外からの新規入国)を想定し、1名採用時と3名同時採用時のシミュレーションを提示します。
特定技能外国人の想定年収を300万円、人材紹介料を25%と設定した場合の試算表です。
| 項目 | 1名採用時の単価 | 3名同時採用時の総額(割引適用例) |
|---|---|---|
| 人材紹介料 | 750,000円 | 2,250,000円 |
| 初期費用(登録支援料) | 150,000円 | 300,000円(1名10万へ減額) |
| 月額支援委託費(12ヶ月) | 300,000円(月2.5万) | 720,000円(月2.0万へ減額) |
| 1年目合計(税込) | 1,200,000円 | 3,270,000円 |
1名採用で120万円、3名同時採用でも300万円を超える計算になります。「120万円もかかるのか」と驚かれるかもしれませんが、これは「人材紹介」から「支援」までをすべて外部に丸投げした場合の数字です。
このように、人数が増えるほど1人あたりの単価は下がる傾向にありますが、依然として人材紹介料がコストの大部分を占めていることがわかります。
ワンポイント!
「見積書を比較する際、多くの担当者が見落としがちなのが『送り出し機関への手数料(※二国間協定により国ごとにルールが異なります)』です。海外から人材を呼ぶ場合、現地の送り出し機関に支払う費用(10万〜20万円程度)を、日本の登録支援機関が肩代わりして後から請求してくるケースがあります。送り出し機関への手数料が見積書の初期費用に含まれているのか、別途実費なのかを必ず確認してください。この手数料を曖昧にすると、予算オーバーの原因になります。」
登録支援機関によって月額費用が「1.5万円」だったり「3万円」だったりするのはなぜでしょうか?
その理由は、入管法で定められた「義務的支援10項目」の履行密度にあります。
1.事前ガイダンス
2.出入国する際の送迎
3.住居確保・生活に必要な契約の支援
4.生活オリエンテーション
5.公的手続き等への同行
6.日本語学習の機会の提供
7.相談・苦情への対応
8.日本人との交流促進
9.転職支援(人員整理等の場合)
10.定期的な面談・行政への報告
これらの支援項目を形式だけで終わらせず、実効性のあるものにするためには、支援の「質」に見合ったコストが不可欠です。具体的には、支援担当者が動くための「人件費」、現場や役所へ赴く「交通費」、そして母国語で精緻なコミュニケーションをとるための「通訳費」という3つの要素が、支援の対価として月額費用に含まれています。
支援の質と費用の相関関係を考えると、対面での面談や同行といった「実働」を伴う適切な支援を継続するには、市場の相場から見て月額2万円〜が、一つの目安となる適正価格と言えます。
逆に言えば、月額費用が極端に安い(1万円以下など)業者の場合、こうした人件費や交通費を削るために、支援を「書類作成のみ」に限定し、実際の面談や同行を企業側に丸投げしているケースが散見されます。
もし登録支援機関が、3ヶ月に1回の定期面談と、行政への実施状況報告を怠った場合、最終的な責任は委託した企業側が負うことになり、結果として「支援義務違反」とみなされます。支援義務違反が発覚した場合、最悪のケースでは「今後5年間の外国人受け入れ停止」という、事業継続に関わる重大なペナルティを科されるリスクがあるのです。採用担当者としては、社長に対し「安さの裏にあるコンプライアンスリスク」を明確に伝える必要があります。
ここで、この記事の核心である「コスト削減の手法」をお伝えします。多くの企業は「登録支援機関=人材を紹介してくれる場所」と考えていますが、実は人材紹介のプロセスに大きなコスト削減の余地があります。
前述のシミュレーションで、コストの最大要因は「人材紹介料(75万円)」でした。人材紹介料を削減する最も効果的な方法は、「自社で直接募集し、支援だけを登録支援機関に委託する」というハイブリッド型の手法です。
リクルートが提供する「Airワーク 採用管理」を活用すれば、無料で自社の採用サイトを作成し、Indeedなどの求人検索エンジンに自動連携できます。
1.直接採用の実施
Airワークで「特定技能」の求人を出し、日本国内にいる「特定技能評価試験の合格者」や「技能実習からの移行希望者」を直接募ります。
2.人材紹介会社へ支払う「紹介手数料」をゼロに
自社応募で採用が決まれば、年収の20〜30%にのぼる「人材紹介会社への手数料」は一切かかりません。
3.支援のみ委託
採用後の法的な支援業務だけを、信頼できる登録支援機関に月額2〜3万円で委託します。
Airワークによる直接採用と登録支援機関への委託を組み合わせる手法をとるだけで、1人あたり30万円〜70万円もの人材紹介料を削減することが可能です。
ワンポイント!
「直接採用を成功させるコツは、求人票のキーワード選定にあります。外国人材は『特定技能』『試験合格』といった言葉だけでなく、『寮完備』『土日休み』といった生活条件を非常にシビアに見ています。Airワークを活用して、外国人材が求めている情報を多言語(または易しい日本語)で丁寧に発信することで、紹介会社に頼らなくても十分に応募を集めることができます。これが、代理店だからこそ提案できる『人材紹介料を狙い撃ちしたコスト削減』です。」
最後に、業者を選定する際に使える登録支援機関の選定チェックリストをまとめました。価格だけで判断せず、以下の4つの視点で比較してください。
比較表: 登録支援機関の選定基準
| 比較軸 | チェックポイント | 妥当な判断基準 |
|---|---|---|
| 対応言語 | 自社が採用する国の言語に精通したスタッフがいるか? | 外部通訳ではなく、自社雇用スタッフが対応している。 |
| 支援実績 | 同業種での支援実績はあるか? | 過去に行政処分(登録の取消しや業務停止命令)を受けていない。または是正勧告などの履歴がない。 |
| 費用構造 | 追加費用の発生条件が明確か? | 「相談1回につき〇円」などの隠れた課金がない。 |
| レスポンス | トラブル時の対応スピードは? | 緊急時の連絡体制(休日・夜間の対応ルール)が明確で、トラブル時のレスポンスが速い。 |
A. はい、課税対象です。
月額支援委託費や初期費用には消費税がかかります。
A. 一般的には戻ってきません。
ただし、入管への申請が不許可になった場合の返金対象範囲(全額か、着手金のみなど)や返金率を、契約前に必ず確認してください。
A. 外部への支払いはなくなりますが、社内に「支援責任者」と「支援担当者」を置く人件費が発生します。
また、過去2年間に中長期在留者の受け入れ実績があるなど、入管法が定める「適正な支援体制」の要件を満たす必要があります。
登録支援機関の費用は、単なる「コスト」ではなく、外国人が安心して働き、貴社が法を遵守するための「保険」でもあります。
・1年目の総額相場は80〜120万円。
・月額の安さだけで選ぶと、支援義務違反のリスクがある。
・Airワークを活用した「直接採用」を組み合わせれば、人材紹介料を大幅にカットできる。
「社長にどう説明すればいいかまだ迷っている」「自社の場合、具体的にいくら削減できるか知りたい」という方は、ぜひ一度ヒューマンワークにご相談ください。 Indeedプラチナムパートナーとしての採用ノウハウと、特定技能の専門知識を掛け合わせ、貴社に最適なコストシミュレーションを無料で作成いたします。
参考文献
出入国在留管理庁「特定技能制度」
出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表等」
出入国在留管理庁「登録支援機関の登録申請」
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